和文化遺産活用企画

人の和を以て貴しとなす

誰も知らない、お茶と葉室山浄住寺の歴史

京都で茶処といえば、宇治や栂尾。
しかし、歴史の深い茶処は他にもありました。

f:id:japanese8heritage8project:20171122005345j:plain

興正菩薩叡尊
鎌倉時代真言密教の僧侶として活躍しながらも、戒律を復興させた高僧。
『闘うお坊さん!現代の武僧に学ぶ動く瞑想』で講師を勤める松波龍源先生は、興正菩薩叡尊を深く崇敬されています。

叡尊 - Wikipedia

higan.net

この叡尊は、日本の茶文化にも欠かせない高僧。
なぜなら、宇治で茶業の振興をすすめたのが、彼だからです。

中世の史料『遺制庭訓往来』には、宇治や栂尾にならび、淨住寺のある葉室も茶処として語られています。
そして、中世淨住寺の開山は、この興正菩薩叡尊
叡尊が淨住寺に茶畑を設けたというのは、叡尊の流れにある僧侶たちのなかでは既に常識のようです。

f:id:japanese8heritage8project:20171122005543j:plain

近世、葉室山淨住寺は、黄檗禅宗の寺院として復興されました。
黄檗禅宗には煎茶道のルーツがあります。
つまり、葉室山淨住寺は、今でもお茶とは切っても切れない関係にあります。

wanosuteki.jp

f:id:japanese8heritage8project:20171122005652j:plain

煎茶道(瑞芳菴流煎茶道)の教室が設けられており、叡尊以来の茶の歴史を継承しているかのようにも感じます。

zuihouan.kyoto.jp

まだまだ知られていない、お茶と寺社の歴史。
12月3日に予定している、まいまい京都「葉室ワールド編」。
わずかな時間ですが、少しでもお伝えできることを願って。

www.maimai-kyoto.jp

 

記事担当:山口(和文化遺産活用企画)

yasseyaseyase@gmail.com