誰も知らない、お茶と葉室山浄住寺の歴史
京都で茶処といえば、宇治や栂尾。
しかし、歴史の深い茶処は他にもありました。
興正菩薩叡尊。
鎌倉時代に真言密教の僧侶として活躍しながらも、戒律を復興させた高僧。
『闘うお坊さん!現代の武僧に学ぶ動く瞑想』で講師を勤める松波龍源先生は、興正菩薩叡尊を深く崇敬されています。
この叡尊は、日本の茶文化にも欠かせない高僧。
なぜなら、宇治で茶業の振興をすすめたのが、彼だからです。
中世の史料『遺制庭訓往来』には、宇治や栂尾にならび、淨住寺のある葉室も茶処として語られています。
そして、中世淨住寺の開山は、この興正菩薩叡尊。
叡尊が淨住寺に茶畑を設けたというのは、叡尊の流れにある僧侶たちのなかでは既に常識のようです。
近世、葉室山淨住寺は、黄檗禅宗の寺院として復興されました。
黄檗禅宗には煎茶道のルーツがあります。
つまり、葉室山淨住寺は、今でもお茶とは切っても切れない関係にあります。
煎茶道(瑞芳菴流煎茶道)の教室が設けられており、叡尊以来の茶の歴史を継承しているかのようにも感じます。
まだまだ知られていない、お茶と寺社の歴史。
12月3日に予定している、まいまい京都「葉室ワールド編」。
わずかな時間ですが、少しでもお伝えできることを願って。
記事担当:山口(和文化遺産活用企画)
yasseyaseyase@gmail.com
【企画】「闘うお坊さん!~現代の武僧に学ぶ動く瞑想~」【仏教・武術・瞑想】
あなたは自分の身体、思い通りに動かせますか?
仏教 × 武術 × 瞑想 = 龍源メソッド「動態瞑想」
「武を知らぬ者、和を語るなかれ」
仏教と武術、そして瞑想が、なぜ、どう関わりがあるのか。
武術家でありながら、日本人が元来知っていた瞑想の復興を目指す密教僧を講師としてお招きし、講座を開催いたします。
ふわっとした日本人の仏教的思想のお話から、仏教における「武」の意義まで。
そして、身体の動きのなかで自分の在り方に気づくメソッドとワークショップ。
小難しいイメージの仏教をかみ砕きながら、非常にわかりやすくお話いただきます。
また、講座前には黄檗禅僧による本山萬福寺のご案内もございます。
通常非公開の建築物も拝観予定ですので、ぜひこの機会にご参加ください。
【スケジュール】
13:00 受付開始(萬福寺総門集合
13:30 萬福寺拝観
14:30 講座開始
16:30 終了
【詳細】
日時:11/23(木・祝) 13:30~16:30(13時より受付)
場所:黄檗宗大本山黄檗山萬福寺 青少年文化研修道場洗心道場(京都府宇治市五ヶ庄三番割34)
講師:松波龍源
講座料:8000円→5000円(※プレ企画特別価格:前売りチケット)
※当日チケットは6000円
配付資料:アリ
定員:最大100名まで
主催・企画:和文化遺産活用企画
※後半約10分ほどの簡単な対談(対談者は当日のお楽しみ)を設けております。
※萬福寺拝観料は講座代に含まれております。
※講義のみの参加も可能ですが、拝観料の返却は行いませんので予めご了承下さい。
※萬福寺には有料駐車場がございます。
【申込方法】
こちらから申込ください。(外部ページ)
また、直接ご購入頂くことも可能ですので、その場合は次のアドレスまでお問い合わせください。
japanese8heritage8project@gmail.com
【講義&ワークショップ内容(予定)】
仏教とは何か : 「ふわっと」した日本人の思想
心身の気づきと調整 : 「まっすぐ」立てますか?(身体調整運動の指導)
心身の気づきと調整 : 「色即是空」の武術的あらわれ(自分と相手、全体と部分、意味の変容)
日常に活きる護身術 : 「武」の意義(武を知らぬ者、和を語るなかれ)
【講師よりひとこと】
仏教は、心身の平安を説く教えですが、闘いとどういう関係があるのでしょう。
「死と向き合わない者に生命は輝かない。武を学ばない者に和は理解されない」
古来、武術は仏教と共にありました。あらゆる拳法の起源は嵩山少林寺の達磨大師にあると言われています。己を磨き高めて行くことで、己を理解し、他者を理解し、調和のとれた平安の境涯にたどり着くことができる。アタマだけでは納得することが難しい、仏教が教える「自分を苦しめるエゴの克服」は、武術の修行により身体感覚を伴って理解されます。
仏陀の教えが理解されたとき、神秘的な武術の「技」が冴え渡ります。
この教えは何も格闘技のみに留まりません。普段の何気ない会話、家族や会社などでの人間関係。すべて、自分のエゴと、他者のエゴとの関係の場です。自他を苦しめることになる「タネ」はいくらでも転がっています。それら、トラブルに繋がるタネから身をかわし、制御して、日常の平安をまもる。これこそが究極の武術にして「和合」の道ではないでしょうか。
【講師プロフィール】
松波龍源(1978年生まれ)
真言律宗僧侶
太祖神拳第5世正統伝承者
大阪外国語大学(現:大阪大学)ビルマ語専攻卒同 大学院博士前期課程修了 修士
一般家庭に生まれるも、武術を修練する中で心身の結びつきに興味を持ち出家。瞑想の重要性に着目し、日本はもちろんミャンマーやチベット等の高僧に師事。伝統を最大限大切にしつつ、現代にあった独自の実践法を探求する。武術を活かした動く瞑想「動態瞑想」を提唱し、現代日本に仏教が果たす役割を問いかけている。